カメラのお話(銀塩編)

2016/5/30

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カメラのお話(銀塩編)

Photoカテゴリってことで撮影した写真を色々とアップしていこうと思っているのですが、まずはカメラのお話から。

銀塩時代が長かった・・・。

今はFUJIFILM X-E1をメイン機として使用していますが、X-E1を購入する2013年6月までずーっと銀塩使ってました。
X-E1購入前に少しだけDP-1をお試しで使っていたこともありましたが、「よし、写真撮るぞ!」という時には銀塩を持ち出していたんですよね。

2000年代後半、自分の物欲を刺激するデジカメがあまり無かったんですよ。もちろんLeicaのデジタルはありましたけどさすがに庶民には手が届きません。
藤原新也がR-D1で撮り下ろした「フェルナンド・ペソアの午後」を鑑賞してR-D1いいな!!と思った時期もありました。でもMマウントを持っていなかったのでレンズ資産を生かせんませんし、今からMマウントを収集する財力もありません。そもそもR-D1自体けっこうなお値段でしたし。
でもNikonやCanonのデジタル一眼レフだけは選択したくなかったんですよね。
もちろんNikonやCanonのカメラは日本が誇る素晴らしいプロダクトです。でも趣味性に乏しいというか、カメラ自体のデザインにもこだわりたかったんです。

当時フォーサーズ陣営がマイクロフォーサーズ規格で質感も高く趣味性も高いカメラを意欲的にリリースしていたのですが、中版でボケ味を楽しんでいた身としてはいわゆるハーフサイズのセンサーだと求めている写真が撮れないなあと。
結果X-E1を選択するんですが、それはまた別のエントリーで。

Leica minilux時代

img024Rolleiflex6008 Planar 80mm F2.8に接写フィルターを付けて撮影。

2004年、大学4年時に購入しました。いわゆる高級コンパクトってやつですね。
当時の写真部(大学時代写真部でした・・・!)は空前の高級コンパクトブームだったんですよ。ポケットに入るサイズだから撮りたい時にサッと取り出し撮影できる。カメラのサイズは小さいのに写りはサイコー。
このコンセプトにみんなやられちゃいまして、一眼レフで丁寧にじっくり、ってスタイルは何故かあまり流行らなかったんですよね。

  • CONTAX T2
  • RICHO  GR
  • FUJIFILM KLASSE
  • NIKON 35Ti
  • MINOLTA TC-1

などなど、みんな色々持ってましたねー。
他にもOLYMPUS μ、KONICA BIGMINI、KYOCERA Slim Tなどのコンパクトカメラを使っている人もいましたっけ。

そんな状況だったので、「オレも高級コンパクト買う!」てなノリでお金を握りしめてフジヤカメラに向かったわけです。
記憶は定かじゃないですが4万はしなかったはずです。

このカメラはとにかくSUMMARIT 40mm F2.4が優秀なことで有名ですね。
色乗りはあっさりしているんですが、階調豊富でシャープネスも十分。
個人的にはカラーよりもモノクロの方が合ってるレンズだったと思います。
miniluxからレンズを取り出してMマウント化してくれるサービスありましたよね。
お金に余裕があればお願いしたいなあ。

レンズは上記の通りさすがLeica!な品質ですが、カメラそのものの出来は少し残念。
このカメラ実はパナソニック製なんですよね。

  • AFの精度が悪い
  • ファインダー倍率が低すぎる
  • 露出補正は独自ダイヤルではなくボタン式(しかも長押し)
  • コンパクトという割にはちょっと大きい

などなど、欠点を挙げればまだまだ出てくるのですが、自分でお金を出して買った初めての銀塩カメラだったので、それはもう大はしゃぎで雨の日も雪の日もminilux片手に写真を撮り歩いていましたよ。
そんなかわいい愛機でしたが、残念ながら電子系がやられてしまい動かなくなってしまいました。

img448遠景はイマイチでしたね。

img429解像度とシャープネスは十分。

img372今は亡きすずかけマック。よく行ってました。

CONTAX時代

img656Rolleiflex6008 Distagon 50mm F4にて撮影。

img167Rolleiflex6008 Planar 80mm F2.8に接写フィルターを付けて撮影。

大学を卒業して社会人になり、少しだけ自由に使えるお金が増えました。そこでまず買ったのはCONTAXでした。
やっぱりzeissレンズ使いたいですからね。特に銘レンズとの誉れ高いPlanar 50mm F1.4に興味津々だったわけです。

そして選んだのはCONTAX 167MTとPlanar 50mm F1.4 MMJの組み合わせ。2005年当時もCONTAX 167MTは一番安価に買えるボディでした。フジヤのABランクで1万8千円ほどでした。
本当は金属ボディーのRXが欲しかったんですけどねー。 RXはまだ2万5千円くらいしたはず。
レンズの方は2.5万くらいだったと思います。レンズはフジヤじゃなくて中古カメラ市場で購入。
このレンズ、2016年現在中古で3万近かったりするので、むしろ値上がりしてますね。レンズは資産と言われることもありますがなるほどです。

CONTAX167MTはシャッター音に特徴があることで有名なんです。「ジャギッ」みたいな音がします。
そして目玉機能であるオートブラケットは167MTが世界で初めて搭載したそうです。
ネガを使うことが多く露出は割りと適当だったので、オートブラケットは全然使わなかったんですが。

Planarは解像度が高くても適度に柔らかさがあり、かつ美しいボケ味。この写りに魅了されまして、しばらくはCONTAX三昧でした。
コダックのポートラNC160との組み合わせで得られるなめらかな色調の写真には本当に夢中になりましたね。

ここまででやめておけばよかったのですが、当時の自分はますます写真熱があがるばかりで、ついに中判に手を出してしまいます。

img202大口径レンズのボケ味はたまらんです。

img654NEXT21から撮影した新潟市中心部。解像度は申し分ないです。

img189ばあちゃん家のネコ。

img16250mmを使うとこれくらいの距離感での撮影が増えちゃいます。

Rolleiflex6008時代

img150 PQSレンズに買い替え後。CONTAX 167MT Planar 50mm F1.4にて撮影

学生時代から中判は憧れのカメラでした。川内倫子や佐内正史の写真をたくさん見ていた世代なのでいつかは中判を!と常々思ってたんです。
ですが中判ともなるとカメラも高いしフィルムも高い。とにかくランニングコストが35mm版の比ではない。なかなか決心がつきません。
それでも中判への憧れを捨てきれずついに購入してしまったわけです。

Rolleiと言えば二眼が有名ですが、実は一眼も出しているんです。それがRolleifelx6000シリーズです。
SL66、6001を経て現代的なデザインとシステムにリファインされた6008シリーズ。その初代を2006年の夏に購入しました。
レンズは6001時代のPlanar 80mm F2.8が付属していて10万円程度だったはず。後に1000分の1までシャッタースピードが上がったPQSレンズに買い替えました。

今思うとよくこんなバカでかいカメラを振り回してたなあと思います。でも当時はまだ若かったですからね。苦労してでも自分が求める写真を撮りたいという気持ちが優先してました。
でかい、重い、うるさい、という3重苦を絵に描いたようなカメラでしたが、写りはとにかく最高。
ブローニー版の階調のなめらかさはどんなに高画素化した現代のデジカメでも叶わない分野なんじゃないかと思っています。

ビックやヨドバシにフィルム現像だけお願いしてエプソンGT-X700でフィルムスキャンという環境で写真を楽しんでいました。
スキャンしてからゴミを取ってレタッチして、という手間がかかる工程が必要ですが、35mm版では得られない写真にいつも興奮していました。
しかも家でモノクロのプリントまでやりたくなっちゃって、ついには引き伸ばし機まで購入しちゃったんですよね。いやはや、あの頃の情熱は凄まじかったなあ。
おかげで本業であるwebの勉強を怠ってしまい、20代後半は仕事面で色々と辛い状況になったりもしたのですが・・・・。

そんな中判ライフも終わりを迎えることになります。
もともとカメラは機械式が好まれる土壌がありましたが、その最たる理由は修理ができるか否か、というポイントでした。
電子制御のカメラは電子部品が故障してしまうと修理ができないという事態に陥ります。もちろんディスコンから10年はメーカー修理が可能ではあるのですが、Rolleiはご存知の通りドイツ製。故障即ドイツ送りとなるわけです。
愛機Rolleiflex6008もついに故障してしまいます。露出計がおかしくなってしまい、常にアンダー目に撮影されてしまうようになりました。
じゃあフルマニュアルで撮ればいいじゃん!となるわけですがフル電子制御が売りのこのカメラではそれも叶わず。しかも追い討ちをかけるようにフィルムの値段もどんどん高くなっていきました。
そしてついに2011年に中判ライフに終止符をつける決心をしました。

修理ができる二眼のRolleiflexにしておけばよかったんじゃないか?と考えたこともありましたが、Rolleifelx6008のデザイン性に心底ほれ込んでいたので、大好きなカメラで思いのまま写真が撮れて幸せだったなあと思うわけです。

今ではインテリアの一部としてシェルフの上に鎮座しているRolleifelx6008。
カメラとしての役割を果たせなくなった今でもその存在感を遺憾なく発揮してくれる可愛いヤツなのであります。

このエントリーのために久しぶりに66写真を眺めていたら、やっぱ中版最高じゃん!というテンションになっちゃいました。
また機会を見つけて66写真をアップしたいと思います。

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